アンティークジュエリー物語n.37
全てアンティーク
ミラネーゼのお洒落
イタリアといえば、古代ローマ時代からルネサンス、そして現代まで脈々と続いている独自のイタリアンスタイルがありますね。
建築、ファッション、暮らしまで、いろんな分野で素敵ですし、世界の中でも、男女問わずお洒落な人々として知られています。
こんな風に、真珠と金で飾った古代ローマ時代の女性しかり、
ルクレティア ヴェロネーゼ作 1585年 ウィーン歴史博物館蔵
今に残っている絵からは、ルネサンス時代の男性や子供達がジュエリーで装った姿でも、イタリア人のジュエリー好きが浮かび上がって来ます。
今回はそんな歴史あるイタリアの、ある素敵な女性をご紹介します。
その女性はミラノに住むアンティークジュエリーコレクター、
男性の肖像 ティシアン作 1540年 イタリア ピッティ宮殿蔵
ピアの肖像 ブロンズィーノ作 1545年頃 イタリア ウフィッツイ美術館像
ジュエリーは全てアンティークで、若いときから集めているそうです。
「 両親が骨董品のコレクションをしていて、子供の頃から家の中では、家具や絵が身近にありました。でも私はアンティークとモダンをミックスするのが好き。」
「家はモダンで、服も今のもの、でもジュエリーだけはアンティークなんですよ。
古いものと新しいものの組み合わせが新鮮なのと、新しいものでも、私が好きなアンティークを組み合わせると、ずっと前から着ていたように、すっとなじんでくれるんです。」
とアンティークジュエリーの魅力を語ってくれました。
彼女が身につけるのは、とても装飾的なイヤリングとネックレスが多く、特にフランスのべル・エポックからアール・デコ時代の物が好きだそう、年代で言えば1880年頃から1930年代です。
上の写真ではプラチナに真珠とオニキス、クリスタルの、1910年代のピアスとネックレスを着けています。
「好きなのは黒、ピンク、緑、服に合わせてジュエリーを選びます。必ず身に付けるのはピアス、それにネックレスか、指輪かブレスレットを合わせます。ドレスアップしたら3点とも着ける事もありますよ。」
と、ルネサンス時代の貴婦人のような発言も・・・
エレオノーラ・ディ・トレドと息子ジョヴァン二の肖像〜部分 ブロンジィーノ作 1544-1545年 イタリア ウフィッツイ美術館蔵
彼女曰く、
「ジュエリーの無い装いは、塩の入っていない料理みたいなもの。」とグルメの国イタリアらしく話しています。
ルネサンス時代から培われた美意識でしょうか、ジュエリーを幾つか組み合わせていても、重くならずに素敵ですね。
「色と素材を合わせておくと、いくつ重ねても素敵よ。」と、秘訣を教えてくれました。