アンティークジュエリー物語n.1bis
クチュールドレス
マダム・ランバン II
コラム n.1 マダムランバン I ではマダムのジュエリーコーディネイトに続いて、沢山のドレスの中からシンボルをデザインしたコレクションをご紹介しましょう。
シックな黒、リボンやレースを使ったドレス、サークルを模様にしたもの、美しい色の布地で立体的なデザインはランバンならでは、どのドレスもシックな装飾でアンティークジュエリーが映えそうで、着る女性を引き立てるデザインです。
そしてマダムはインドやオリエントの国々の文化をはじめ、東の果ての日本の芸術にも大変な興味を示していました。
当時輸入された蒔絵や屏風などからインスピレーションを受け、ドレスを作っています。
ジャポニズムは、いにしえからフランス人を虜にし、フランスのシックに欠かせない芸術趣味の一つでもあります。
マダムの目を通したジャポニズムは、着物のような刺繍や、構築的なデザインが魅力です。
妖精のようなドレスからモダニズムまでアートの影響を受けたデザインは芸術性のあるマダムならでは・・・
しかし、華麗な経歴からは想像できないほど大変控えめな性格だったマダム、そんな謙虚さが社交界で人気の的でした。
研究者肌の芸術家気質が美しいデザインを生み出したのですね。
女性が社会で仕事をし、地位を確立して生きて行くにはまだまだ難しかった時代に、マダム・ランバンは外見だけでなく、人としてのエレガンスを常に失わず、20世紀の著名デザイナーとして名を残しました。
「 何という偉大なパーソナリティを持った女性であることか! 」と当時の人々は賞賛しました。
髪をシニヨンに結い、黒のドレスとアンティークジュエリーを着けたマダム、シックでいながら主張のある装いはフランス女性ならでは、いつの時代も ” 優雅さ ” は人々に感嘆を与えるのですね。