アンティークジュエリー物語n.59
パリの英国趣味
フレンチツィード&ジュエリー

今年の秋のファッションは、そこはかとなくクラシックな雰囲気が漂っているようですが、フランスでクラシックというと英国趣味がその一つ、チェックやツィード、キルトなど、英国の質実剛健な織地から、フランス風のツィードを作ったのが、誰もが知るココ・シャネルでした。

1910年の帽子店から始まった「シャネル」は、ご存知のように男性服や水兵の着るジャージー素材などからインスピレーションを得て、動きやすく締め付けず、シワになりにくい活動的な女性のファッションを作った20世紀の偉大なデザイナーの一人です。


中でもシャネルジャケットは、当時は紳士服にしか使われていなかった「ツィード」で作られました。
シャネルは、最愛の人「アーサー・カペル」、愛称ボーイの着ていたツィードジャケットを愛用し、その着心地の良さから今のシャネルジャケットが生まれました。


シャネル自身はツィード素材のノーカラージャケットへ、ジュエリーをたくさんつけてフェミニンに仕上げるのが好きでした。
英国ツィードのどこか素朴な質感に、カメオの瑪瑙石や貴金属の硬質な感じが不思議と似合います。


今年の秋はチェックやツィードといった英国調が再び注目されていますが、シャネルは結婚まで考えた英国のウェストミンスター公爵からたくさんのアイデアを得て、英国紳士のクラシックなコートやベストを元に、優しい淡い色目のツィードを作ったり、シルクのブラウスとの組み合わせや、ピンクのトリミングを加えてパリジェンヌ・タッチに仕上げました。

当時のシャネルが白や黒のツィードジャケットに、たくさんのダイヤモンドジュエリーをつけている写真が残っています。


特に好きだったのがブレスレットとクリップブローチで、襟ぐりにさりげなく留めています。

上から4番目の画像では白のツィードジャケットの襟へ着けています。
マットな質感のツィードに、ダイヤモンドジュエリーの輝きが映えて…シャネルの法則は、装う人をより綺麗に見せてくれるようです。
今を感じさせつつ、男女問わず大人らしい艶やかさをジュエリーで添えて、クラシカルな季節へ、シャネルの装いをヒントにお洒落を楽しんでみてはいかがでしょうか。

画像のジュエリーはカタログでご覧いただけます、詳細はお問い合わせ下さい。

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