N°1025 Sold* ウロボロスの蛇 フランスアンティークネックレス
こちらの作品は販売済となりました、ありがとうございました。
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フランスの1805~1825年頃の、蛇を象ったアンティークジュエリーをご紹介致します。
この蛇は、「ウロボロスの蛇」をネックレスに仕立てたジュエリーです。
「ウロボロスの蛇」とは、蛇が自分の尾を加えている古代から伝わる図像を言い、
古代ギリシャや古代エジプトからヨーロッパのルネサンス時代に至るまで、永遠や豊かさのシンボルとして、神格化されてきました。
下は古代エジプトの、紀元前14世紀のツタンカーメンの墳墓の壁の浅彫りで、王をウロボロスの蛇が囲んでいますが、3500年前には既にウロボロスの蛇の図があったことがわかります。
このジュエリーは18金製で、蛇の頭と尻尾にロイヤルブルーで「シャンルヴェ・エマイユ」(土台の貴金属へ模様を彫り、凹へエマイユを施す七宝技法、彫り残した部分が貴金属の文様として表面に出る。)を施し。両目にルビーをセットしています。
留め具は、蛇の尻尾を口に差し込むように作ってあります。
全て18金への彫金で作ってあります。
ネックレスになる胴体は、18金のリボン状に彫金を施したものを交差させて作ってあります。
まるで組紐のようにしなやかで着け心地も良く、しかし18金製の宝飾作品ですからしっかりとしています。
一体どのようにして作ったのか、当時の宝飾師の技術の高さと時間のかけ方に驚くばかりです。
16世紀以降は、古代の様式に注目し、図像やモチーフを装飾品に取り入れてきました。
「ウロボロスの蛇」もその一つで、下の1600年代の「人生の寓意画」では、ウロボロスの蛇を頭上に、中心の人間は生、花は儚い美しさ、砂時計は時の経過、骸骨は死を示し、人間は時に逆らえないことを示すシンボリックな絵画です。
ルネサンス時代特有のもので、この絵は「誰にでも死は訪れる、だからこそ憂えず今を楽しみ、一度きりの人生を悔いのないように生きるべきである。」ということを伝えています。
1805年から1825年頃のアンティークジュエリーは、ナポレオン1世皇帝から王政復古期へと、変化の大きな時代背景のため、あまり数多くは作られていませんでした。
その上、後世に貴金属を溶かされてしまった事も多く、現存しているものは少ないのですが、このウロボロスのネックレスは大変コンディションも良く、古代シンボルからインスピレーションを得つつ、オリジナリティのあるアンティークジュエリーで、時代的にも希少なネックレスです。
※ エマイユ・シャンルヴェ(シャンルヴェ・エナメル)
主に貴金属金属の台座を彫り、凹凸の凹へエマイユを施し、凸の貴金属が模様になって図柄を作る技法。
「エマイユ・シャンルヴェ」とは、フランス語でヨーロッパで最も古い時代からエマイユ(七宝)技術を発達させてきたのがフランスであることから、仏語の名称になっている。
エマイユを施した後は、凸の貴金属と同じ高さになるように、何度か焼成と研磨を繰り返して、滑らかな表面に仕上げます。日本語では、「生地彫り七宝」とも言われる。
フランス 19世紀前期
素材: 18金・ルビー・エマイユ
サイズ:L45.0cm W0.3-1.5cm
Sold*
Necklace
France Early 19th century
Material: 18K Gold, Ruby, Enamel
Size: L45.0cm W0.3-1.5cm
Sold*