N°0798 侯爵王冠紋章 アンティークリング
フランス、1830~1840年代の紋章のアンティークジュエリーをご紹介いたします。
この指輪は、正面の紋章含め外側は全て鋼鉄製、リングの内側は銀製です。
この19世紀の鋼鉄は、日本刀と同じく人の手によって作る純度の高い鋼(はがね)です。
鋼鉄は、金属を高温で鍛錬 (たんれん/叩いて伸ばしては折り曲げて重ね合わせ、叩いて1枚にするを繰り返し金属を打ち鍛える技術) し炭素量を減少させながら作ります。
中世からルネサンス時代にかけて発達した鋼鉄技術により、甲冑や兜、そしてこのアンティークジュエリーのように騎士の指輪となりました。
リングの外側は全て鋼鉄製、
内側は銀製で、下の画像では内側の金属の色が少し違うことがわかり、リングに添って銀板を鋼鉄を、宝飾技法によりぴたりと合わせてあるのが見えます。
紋章は、上にフランスの侯爵の王冠、その下には盾、盾の中は四分割で、左上から、3つの旗・城塞・斜線で表す旗印・王冠をのせたライオンです。
王冠から高位の貴族であること、中世様式の城塞から18~19世紀に貴族になったのではない古い家系であること、ライオン紋から武勇に秀でた家系であることが判別できます。
上の画像は約15倍の拡大ですが、実物は縦22mmの中に彫りがあります。
アゲートや銀と違い、本来なら甲冑に使う非常に硬い鋼鉄に彫っているわけですから、彫刻師に高度な技術が無いとこれだけ精緻な陰刻は不可能で、それだけ希少なリングとも言えます。
このような王冠や紋章付の指輪は、中世期から伝統的にシュバリエ(騎士)がつける指輪として銀や鋼鉄を使い作っていました。
19世紀以前までのヨーロッパ貴族階級の習わしでは、一族から騎士、特に十字軍遠征隊を輩出することは高貴な階級の家系の義務であり最高の栄誉の一つとなりました。
この指輪が作られた1830~1840年代のフランスは王政復古期で、いにしえの王侯貴族の様式や中世の騎士の価値観が復活した時代です。
当時、騎士の称号を持つ貴族階級は、キャバリエール(王室騎兵隊)や宮廷乗馬試合のためにこのような指輪を、中世時代と同じ技法で作らせました。
なお、この指輪は素材上、サイズ変更不可です。
フランス 1830 - 40年代
素材:鋼鉄・銀
サイズ:L2.2cm
リングサイズ:14-15
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Ring Marquis Heraldry
France 1830-40
Material: Steel,Silver
Size: L2.2cm
Ring size: 14-15
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