N°1726 プット像 アンティークピアス エマイユ作家サイン入

フランスの19世紀中後期のアンティークピアスをご紹介いたします。
台座は18金製のルネサンス時代様式で、彫金師がレリーフや透かし彫りをつくり仕上げています。

中央には絵画エマイユ(ペインティッドエナメル)技法で描かれた「プット」をセットし、縁取りは銀製フレームにダイヤモンドで飾っています。

「プット(複数形:プッティ)」とは、15ー16世紀のルネサンス美術に見られる小さな子供の像のことで、古代ギリシャやローマ神話にあった愛の神エロースやクピドがもとになっています。

エマイユは縦13mm、幅7mmで、プットは左右で表情が違い、黄金の枝を持っています。

このエマイユ作品には作家のサインが入っています。
サインはアルファベットのCをシメントリーに組み合わせた形で、ひとつはプットの右下に、もうひとつはプットの左下に金色であります。

金彩使いや背景の深いあずき色の色彩センスにくわえ、白エマイユのプットは、彫刻のように盛り上げ、陰影をつけた立体エマイユの技法を使っています。

残念ながら作家名は伝わっていませんが、高さ13mm、幅7mmのなかに、これだけの表現ができたエマイユ作家の技術と美的感覚の高さがわかります。

壺より下のフレームは縦26mm、幅16mmで、細かなレリーフや透かし細工があり、中央のプット像やダイヤモンドをより一層引き立てる装飾です。

トップには18金彫金の古代の壺型飾りがあり、壺には銀フレームでダイヤモンドをセッティングしています。

愛らしいプッティとアンティークジュエリーならではの細かな作りや装飾が魅力のアンティークピアスです。

◯ 彩色エマイユ_ペインティッド・エナメル_絵画エマイユ_七宝
平らな金属の台座表面へ白のエマイユをベースにし、その上へ筆で置きながら、多色で絵や文様を作り焼成して装飾をつけるエマイユ技法の一つ。色によって焼成温度が違うため、焼成と研磨を繰り返しながら仕上げる。クロワゾネエマイユやエマイユ・シャンルヴェのように輪郭が無く、非常に高度な技術が必要であったが、仕上がりは絵画のように繊細で緻密、色のグラデーションや半透明エマイユを組み合わせた描画もあるため「絵画エマイユ」と呼ばれる。
彩色エマイユ技法は、15世紀中頃にヴェネツィアで始まったと伝わっており、その後15世紀末頃に、すでにシャンルヴェ・エマイユの技術で有名であったフランス中部のリモージュの工房が技法を完成し、16世紀から17世紀にかけて、祭壇画、聖具、額入り七宝絵、飾り絵皿、宝石箱などが作られた。多色に加え、金彩や半透明エマイユを組み合わせた華麗なリモージュ作品は評判となり、ヨーロッパ中の王侯貴族や高位聖職者から注文を受け、ルーヴル美術館で現在保存している作品には、当時の著名なリモージュ工房製がある。18世紀には、フランスへ旅したイギリス国王ウィリアム3世やアン女王が好んだことからイギリスやウィーンで流行し、フランスから作品を輸入、またはフランス出身の技術者がロンドンやスイスで工房を持ち注文に応じ作られ、当時の作品は現在ナショナルギャラリーに保存されている。アンティークジュエリーやオブジェにある彩色エマイユは、小さく緻密な美しさが魅力の作品が見られる。

フランス 19世紀中後期
素材: ダイヤモンド・エマイユ・18金・銀
サイズ:L3.9cm W1.7cm (ピアス針含まず)
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France, mid to late 19th century
Material: Diamonds, Enamel, 18K Gold, Silver
Size: L3.9cm W1.7cm
Price : Please contact us ▽

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