N°0173 ダイヤモンド指輪 クラウンローズカット

フランスの1880年から1900年頃の「ベル・エポック期」と呼ばれる時代のアンティークダイヤモンドリングをご紹介いたします。
指輪は、中央にダイヤモンドをセットし、18金へ透かし彫金をつけています。

アンティークダイヤモンド指輪 18金 フランスアンティークリング 彫金透かし細工 ルーヴルアンティーク アンティークジュエリー&オブジェ専門店

「ベル・エポック期」は、フランス語で「美しき良き時代」を意味し、19世紀末から1910年代のパリを中心に文化芸術が花開いた時代のことです。
世界中から王侯貴族や芸術家、富裕な人々がパリを訪れ、博覧会の宝飾部門では、カルティエやブシュロン、メレリオなどが展示を行い、フランスの宝飾商が歴史を作り、世界へ知られた時代です。

( 1900年のパリ アレクサンドル3世橋からエクスポジション・ユニヴェルセルを望んで )

 

指輪は、全て宝飾師による作りで、18金板の状態から植物紋の透かし文様をカットし側面を磨き上げて仕上げています。
横から見た、ダイヤモンドをセットした台座の端からリングの輪までの高さは6mmあり、彫金紋様が大きなダイヤモンドを引き立てるデザインです。

ダイヤモンドは直径11mmで、フランス語でローズ・クローヌ(英:クラウン・ローズカット)というカットです。
クラウン・ローズカットは、一般のローズカットよりもファセット(上部のカット面)が非常に多く、原石がかなり大きく厚みがないと出来ないカット方法です。

見た目が王冠のようであることから、クラウンの名がついています。
石にはインクルージョンはありますが透明度と輝きは高く、サイズも魅力的なアンティークジュエリーならではの宝石です。

( ※ 画像のケースは撮影用です。)

 

後面はドーム型のクローズド・セッティングです。

この指輪の時代のダイヤモンドのカットは、現代のように均一化していませんでした。
ジュエラーは、まずデザイン画を作り、それに合う石とカットを宝石商にオーダーすることがほとんどでした。
デザインだけでなく、石や素材が一つのジュエリーのために理想の形に作られたのです。

この指輪もオーダーと考えられ、石と指輪のデザインがぴたりと似合い、お互いを引き立てています。

ダイヤモンドは一輪の大きな薔薇の花のようで、リングの葉や枝が石のフレームに添って爪留めとなり、透かしの植物紋と一体化しています。

台座の曲線的なデザインは、当時のアート・ムーヴメントの「アール・ヌーヴォー様式」です。
アール・ヌーヴォーは、パリとベルギー、ウィーンの芸術家が中心となり、花や植物、流水や自然をモティーフにした曲線的なデザインが特徴です。

この指輪は、深みのある輝きのクラウンローズカットのダイヤモンドと透かし彫金細工が魅力で、豪奢で希少なアンティークならではの作品といえるでしょう。

◯ ベルエポック期_19世紀末-20世紀初期_フランス
ベルエポックとは、フランス語で「美しき良き時代」の意味で、19世紀末から1910年代のパリを中心に花開いた文化芸術の時代を指す。
19世紀中頃のナポレオン3世皇帝時代から発展した産業革命によって、経済が隆盛し、パリへは世界中から富豪が集まった。その注文に答えるように芸術家、建築家、宝飾家、作家、研究者などが各分野で活躍の場を与えられ、都市文化が栄えるようになった時代。
1914年に第一次世界大戦が始まると沈静するが、その後の1920年代には復活し「レ・ザネ・フォル」狂乱の時代と言われるモダンな時代が始まり、「アール・デコ」スタイルに変化していく。

フランス 1880年 - 1900年頃
素材:ダイヤモンド・18金
リングサイズ:13
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France, circa 1880-1900
Material: Diamond, 18K Gold
Ring size: 13
Price : Please contact us ▽

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