N°1179 シュヴァリエ 騎士のダイヤモンド指輪
1600年代のフランスまたはゲルマン(現在のドイツ圏)のアンティークリングをご紹介いたします。
この指輪は、鋼鉄に彫金し、金で装飾をつけ、中央と左右にダイヤモンドをセットしています。
歴史的には、現在の統一された国としてのドイツは19世紀以降で、17世紀当時のドイツ近辺は、諸侯が統治する大小多くの公国に別れており、現在のフランス東部アルザス地方もゲルマン文化圏の影響を受けています。
諸侯たちは名目上は〝 神聖ローマ帝国皇帝 〟に統制される立場でしたが、中には豊かで皇帝を脅かすくらい強力な公国も存在しました。
それぞれの公国は独自の宮廷と文化を持ち、ゲルマン圏独特の美術や宝飾様式がありました。
鋼鉄は中世の時代から騎士の甲冑や楯、剣のための素材でした。
日本には、武士の兜や甲冑、見事な日本刀にあるように鋼鉄の文化がありますが、ヨーロッパにも同じ歴史があり、高位の騎士は宮廷用として、大変緻密な彫金をほどこし、金や宝石を嵌め込んだ、まるでジュエリーのような甲冑を身につけていました。
当時の武具は代々大切に引き継がれ、今も美術館で特別室があるほど、装飾美術の一つとして現存しています。
この指輪は、そのような装飾的な甲冑と同じ技術で作られたものです。
当時、熟練の技術者の手により、大変な時間と技術をかけて作り出す金属「鋼鉄」は、金銀といった貴金属と同じ価値を持つ素材として扱い、このようなダイヤモンドをセットした指輪が作られました。
またダイヤモンドも同じく、遠いインドやオリエントの国から石商人が、馬と徒歩で危険な道中を運んでくるもので、王侯貴族の中でも宮廷の人々にしか身につけられませんでした。
指輪の左右側面には「マスカロン」の彫金があり、口にはダイヤモンドをセットしています。
マスカロンとは、怪人面のことで、16世紀から17世紀を中心にしたルネサンス時代の装飾に見られます。
リングの内側は金製です。
古来から、ヨーロッパの騎士や王族の着ける甲冑や飾り刀、楯などには、鋼鉄に金銀細工や彫金を施し、宝石を飾った儀式用のものがあり、当時の地位を表し、王侯貴族や騎士達の誉れでもありました。また当時は男性のために、最も美しく大きな宝石や金銀細工が使われたという歴史があります。
マスカロンの頭部には炎のような、中央のダイヤモンドの周囲は光輪のような、騎士の指輪に相応しい彫刻が見られます。
サイズは14.5でサイズ直しは不可です。
フランス又はゲルマン(現在のドイツ圏) 17世紀
素材: 鋼鉄・ダイヤモンド・金
サイズ:L1.0cm
リングサイズ:14.5 (サイズ変更不可)
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French or Germanic (present-day Germany), 17th century
Material: Steel, Diamonds, Gold
Size: L1.0 cm
Ring size: 14.5 (not resizable)
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