N°1166 地中海のカメオ 18世紀アンティークブローチ

フランスの18世紀中期、ルイ15世王時代のアンティークジュエリーをご紹介いたします。
1740 – 1750年代の象牙のカメオをセッティングしたカメオブローチです。
ブローチにはクリスタルガラスをセットし、カメオの背景は水色に彩色してあります。

カメオの題材は「地中海」、
左上にはギリシャ神話の愛の女神アフロディテ、シンボルの帆立貝、中央にはイルカに乗る愛の天使エロス、ともう一人はヒッポカンポスに乗るエロスです。

イルカは神話でも神聖な動物で船乗りに道を教えることから吉兆とされています。
ヒッポカンポスはいわゆる海馬で、ギリシャ神話のポセイドンがまたがる半馬半魚の動物です。

地中海のカメオとダイヤモンドのアンティークジュエリー

このカメオは当時の宮廷の御用達であったカメオ彫刻師ジャック・ゲイのサイン「GAY」が向かって左下の貝殻の端に陰刻であります。
ジャック・ゲイは18世紀の最もすぐれたフランスの彫刻師で、ルイ15世王の御用達でした。

彼はフランスの18世紀の画家フランソワ・ブーシェ(1703-1770、ロココ芸術を代表する画家で、デッサン力と色彩の素晴らしさは当時の画家の群を抜いている、王侯貴族の肖像画、神話を描き、その作品はルーブル美術館を始め保存されている。)の元で修行を積み、王の愛寵ポンパドゥール伯爵夫人のために、ヴェルサイユ宮殿の装飾芸術の作品を作りました。

カメオは様々な素材と技術で作りますが、全ての芸術にいえるように、ただ細かい作業や部分的なテクニックが良いだけでは職人仕事であり、全体の美しさは作ることができません。
サイズ、ボリューム、動きなど全てが彫刻師のデッサン力と美意識にかかわっています。

ジャック・ゲイは、職人の技術と美意識を備えた、真に芸術的な作品を作った彫刻師でありました。


フレームは銀製で、テーブルカットのダイヤモンドをセッティングし、後ろ面とピンは金製です。

1700年代中期の希少なアンティークジュエリーで、象牙の白、彩色の水色、深い輝きのダイヤモンドといった美しい色彩も魅力のカメオブローチです。

フランス 18世紀中期
ジャック・ゲイ(彫刻家)サインピース
素材:象牙・ ダイヤモンド・銀・金・クリスタルガラス
サイズ:L4.5cm W5.3cm
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France, mid-18th century
Material: Ivory, Diamond, Silver, Gold, Crystal glass
Size: L4.5cm W5.3cm
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