N°0957 ルネサンス 牡羊の彫金 アンティークリング
17世紀のフランスのアンティークジュエリーをご紹介致します。
フランスの1600年代の後期ルネサンス文化の頃のメンズリングで、18金へトルコ石をセットした指輪です。
全面に彫金を施してあり、中央のトルコ石の左右に「牡羊」、続いて2つの帆立貝のような飾りがあり、後ろ側へアカントスの植物文様が続いています。
トルコ石のセッティングの後面には彫金と「シャンルヴェ・エマイユ(※下方参照)」があり、彫金の凹へ白と黒のエマイユをつけており、金色の葉のところは、彫金の凸の部分です。
トルコ石の横の彫刻の「牡羊」は、古代エジプト期からメソポタミア文明へ、その後のヨーロッパ文化に到るまで「王」「指導者、力」などの男性的能力のシンボルでした。
地中海からインドを統一した紀元前4世紀のアレキサンドロス大王も「牡羊」を自らの印としています。
上の映像は、神格化された牡羊の頭のスフィンクスで、聖なる獣として崇拝の対象となっています。
エマイユは、トルコ石の縁飾りにシャンルヴェ・エマイユ技法(※下方参照)で黒を、つまり、台座の18金へ彫金をし、凹へエマイユをつけ、凸の18金部分を文様として見せた七宝装飾です。
指輪の横には白や青が見られます。
少なくとも300年以上経た作品ですので、エマイユの磨耗は見られますが、美観を損なわない美しい仕上げは、まさにフランス ルネサンスのジュエリーです。
トルコ石は、現在のイランの山岳部で採掘された透き通るような水色の石です。
今のアラビア半島やイラン、イラクにあった紀元前のメソポタミア文明では、その澄んだ水色は「天空の石」=「神々の石」として、神と守護の石として聖職者や王が身につけました。
特に、このトルコ石の色は「こまどりの卵色」と言われる水色で、イランの山岳部周辺独自の石色ですが、残念ながら現在はもう採掘はありません。
リングの後ろ位置は、「アカントスの葉」文様を彫金してあります。「アカントスの葉」は古代ギリシャ建築にある彫刻文様で、古代文化の復興であるルネサンス時代のジュエリーや装飾に使われています。詳しくはこちらのページの「アカントスとは?」をご覧下さい。
ルネサンス時代の男性用ジュエリーですが、美しい水色のトルコ石と牡羊やルネサンス時代装飾の彫金は、女性がつけられても素敵なアンティークリングです。
なお、リングには1周全てに彫金がありますので、サイズ直しは不可です。
◯ エマイユ・シャンルヴェ_エナメル_七宝
土台となる金属を彫金し、凹凸をつけ、凹へ、凸の金属と同じ高さになるまで何度もエマイユ焼成をし、その上で表面の研磨を重ね、凹凸が同じ高さになるよう仕上げるエマイユ技法。彫刻のパターンによって、様々な文様を金属とエマイユで描いたように仕上がり、エマイユの色彩も単色から多色、透明から不透明まで様々なテクニックを使えるため、見た目に凝ったデザインが出来上がる。フランス語では「エマイユ・シャンルヴェ」、英語では「シャンルヴェ・エナメル」、日本では「生地彫り七宝」と呼ばれる。
フランス 17世紀
素材:18金・トルコ石・エマイユ
サイズ:L0.95cm
リングサイズ:19(サイズ変更不可)
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Ring
France 17th century
Material: 18K gold, Turquoise, Enamel
Size: L0.95cm
Ring size: 19
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