N°0913　王女プシュケ　アンティークカメオブローチ

フランス、19世紀中期のカメオブローチをご紹介いたします。
サイズは縦4.9cm、幅4.0cm、カメオはアゲートへ「王女プシュケ」を彫刻しています。
フレームは18金製で黒のエマイユと天然真珠8珠を飾っています。

ダブルフレームで、カメオのフレームと、外側のフレームがあり、外側には黒のエマイユをつけ、８珠の艶やかな天然真珠を飾っています。

このカメオのモティーフの「プシュケ」は、古代ギリシャ神話の愛の物語「アモールとプシュケ」の王女です。

王女は古代彫刻様式の端正な美しさの顔で、古代風に結い上げた髪にはプシュケのシンボル「蝶」の羽飾りが彫られ、古代の美と優雅のシンボルである真珠のネックレスを身につけた姿です。

王女プシュケの神話について、詳しくはこちらのページもご覧ください。

フレームは、凝った作りのダブルのうえ、後ろ面を見ますと、上下左右の4か所でビス留めも施し、真珠のフレームをダブルフレーム両方にセットしてあり、しっかりした質の良い仕上げです。

カメオのアゲートは、表面側から象牙白色・半透明の乳白色、そして半透明のカーネリアン（橙色）の３層です。
下の画像は最下層のカーネリアンで、この色が、カメオ表面から見ますと、

象牙白色の王女の背景に、半透明の乳白色を通して透けて見えるように彫ってあります。
縁取りがよりカーネリアンの色が濃く見えるように彫り上げ、カメオ全体に陰影を付けています。

天然の石層を、いかに美しいカメオに彫り上げるか、優れたカメオ彫刻家の美意識が現れた作品です。

着ける人をより引立てる、粒揃いの真珠の艶やかさと、黒エマイユが美しい、フランス的なアンティークカメオブローチです。