N°0503 フローラ 花の女神 地中海珊瑚立体彫刻アンティークブレスレット
フランス、18世紀から19世紀初期の時代のアンティークジュエリーをご紹介致します。
全て珊瑚へ彫刻して作ったアンティークブレスレットで、中央には花の女神「フローラ」と薔薇の花や果物で取り巻いており、ブレスレットには、左右に各2天使を彫刻しています。
天使は、ルネサンス様式の巻き貝装飾の珊瑚彫刻をパーツによってつないであり、繋ぎパーツや留め具など珊瑚彫刻のセッティングは全て18金製です。
この珊瑚は18世紀に地中海で採集したコーラル・メディテラネ(地中海珊瑚)で、200年以上を経ても、なお艶やかな色合いで、当時の海の綺麗さを感じられます。
珊瑚は古来から「 魔除け 」の力があると信じ、病を癒したり、悪魔の目から視線をそらすと信じられており、装飾だけでなく厄除けやお祈りのために身につけていました。
今でもヨーロッパの人々は、美しい海の素材として真珠とともに特別視しています。
この珊瑚の由来として、18世紀から19世紀に「グランド・ツアー」(※下記参照)と呼ぶカルチャートラベルがありました。
貴族や富豪の子弟が、数ヶ月、長い時には1年を越して地中海沿岸の国々へ旅し、珊瑚、あるいは彫刻作品を自国へ持ち帰りジュエリーに仕立てており、この珊瑚も「グランド・ツアー」によりフランスへ運ばれ、仕立てられたアンティークブレスレットです。
※ グラン・トゥール 英:グランド・ツアー 文化_歴史名称
18世紀から19世紀にかけヨーロッパの貴族・富裕ブルジョアの子弟が行った大旅行。古代遺跡の発掘も盛んになった時期で、ミラノ、ヴェネチア、ローマ、ナポリなどのイタリアはグランドツアー行程の中でも最も多い訪問地であった。
グランドツアーは数ヶ月、あるいは1年を超える長期に渡る旅で、莫大な費用と時間をかけて行われ、教師格の付き添いと共に、フランス、イタリアでの古代遺跡発掘の見学、古代からの政治学、文化芸術を学ぶ旅である。フランス人はイタリアへ、イギリス人はフランスを経由し、まずは社交界で礼儀作法やマナーを学んで服装を洗練させ、その後イタリアへ、が通例であった。
予期せぬ危険とも背中合わせであったが、1千年を超える文明の地を訪れ素晴らしい風景に感嘆し、ヨーロッパ文明の源に触れることが出来る歓喜が人々を引きつけた。
現代の旅とはかけ離れた次元の旅行で、当時のイギリスの作家は・・・『イタリアのごとく驚きと歓喜に満ち教養を得る旅が可能なのは世界の何処を探しても無いであろうと思われる。芸術はここから生まれ、数千年を超え今目の前に存在する彫刻や絵画、モザイク、建築の全てをこの目で見ることは何という驚きであろうか』と書き残している。
子弟達はグランドツアーで得た教養や知識、そして当地の遺跡コレクションや宝飾品を国へ持ち帰り、自国の文化事業に貢献している。裕福な子弟だけでなく、研究者、芸術家、建築家たちもイタリアへ行き、古代ローマやルネサンス時代の文化を研究し学び、自国へその成果を送り届けていた時代のカルチャー・トラベルである。
フランス 18世紀ー19世紀初期
素材:珊瑚・18金
サイズ:L18.5cm W5.2cm H3.0cm
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Bracelet
France 18th century-early 19th century
Material: Coral, 18K gold
Size: L18.5cm W5.2cm H3.0cm
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