N°1201 カルティエ – アンティークハットピン
アンティークジュエリーならではの、1900年〜1910年頃のハットピンをご紹介致します。
これは、
べル・エポック期のカルティエのハットピンです。
ベル・エポック期とは、19世紀末から1915年頃の、フランスが文化経済ともに繁栄し世界中から人々や文化が集った、華やかな時代で、
当時の下の画像のようなスタイルの帽子の上から挿して使うピンです。
フレームは銀と18金製で、白のエマイユで縁取った中に、ロイヤルブルーのギヨシェ・エマイユで装飾し、中央にはプラチナ製フレームにダイヤモンドをセッティングしています。
このハットピンの凝ったところは、ギヨシェに3種類の波文様を使ってあることと、18金線と白エマイユにあります。
ギヨシェは中心から、Z型、縁には細かいギザギザ、外側はV型で、縁取りに細かいギザギザがあります。
2本の18金線は、台座の凹彫りへセッティングをし、白エマイユを同じく凹彫りへ付けて、表面が平らになるよう磨き仕上げをしています。
3つのギヨシェを組み合わせ、そこへ18金線と白エマイユを入れるという、カルティエらしい凝った作りです。
中央のダイヤモンドはプラチナフレームへセッティングされ、ピンは歪みにくい銀製です。
カルティエの書物には、似たスタイルで1908年創作のハットピンの掲載が見られます。
ハットピンは現代では実用のジュエリーになりにくいのですが、他のジュエリーと同じように精緻な作りと美しいデザインが魅力だからでしょうか。
ヨーロッパでは、コレクションとして、あるいはトップを使いペンダントへリフォームする方もいらっしゃるアンティークジュエリーです。
※ ギヨシェ・エマイユ
「ギヨシェ」とは、金属の土台に細かい文様を浅く線刻した上に、色付きの透明エマイユ(エナメル)を施す技法。
文様は直線、放射状、同心円、波型などの幾何学模様が基本で、いくつかを組み合わせる場合もある。
エナメルから下の彫金文様が透けて見え、モアレ織物のように光を反射して輝き、特にさまざまな文様があるのはアンティークジュエリーならではの技法である。
※ カルティエ Cartier ジュエラー_宝飾商
1847年にフランソワ・カルティエによって創立したフランス、パリを代表する宝飾商の一つである。
1870年代以降は息子アルフレッド、その後に孫息子のルイが参画し、1989年には現在も本店があるパリ1区のヴァンドーム広場から続くラ・ぺ通り13番地へ本拠を構える。1906年にはロンドン支店をジャック・カルティエが引き継ぐ。
ロシアのファベルジェ、フランスのカルティエと言われるほどエマイユとプラチナ作品が代表的で、ヨーロッパ王侯貴族や世界の富豪たちが顧客リストに名を連ね、ジュエリーやオブジェを注文した。クラシックな宝飾技法を踏襲しながら、常に時代の最先端の文化芸術運動に着目し、創作したジュエリーやオブジェは、「カルティエ・スタイル」と言われる。
1970年代にはカルティエ一族の手を離れるが、メゾンは現在も世界的なフランスのジュエラーとしての名声が存続している。
フランス 1900~1910年頃
素材: ダイヤモンド・エマイユ・18金・プラチナ・銀
サイズ:L17.0cm 直径3.9cm
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Hat pin
Jeweler: Cartier
France, circa 1900-1910
Material: Diamond, Enamel, 18K gold, Platinum, Silver
Size: L17.0cm Diameter 3.9cm
Price : Please contact us ▽