N°0760 L.ゴートレ – ウェヌスとアモル アンティークペンダント
フランスの宝飾師、彫金師、ジュエリーデザイナーである「ゴートレ」のアンティークジュエリーをご紹介致します。
ゴートレ(1865~1937)は、自然と神話を元にしたアール・ヌーヴォー様式や、18世紀の繊細なルイ16世様式を好んで創作した宝飾師で、パリの宝飾店ガリオのために、ほぼ専属でジュエリーの創作をしたことでも知られています。
繊細な細工やエマイユを得意とし、アールヌーヴォーからべル・エポック期にかけフランスの宝飾界のトップに並んだジュエラーで、1930年代頃まで活躍しました。
その作品はパリ装飾美術館やロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館に収められ、1894年のパリ・サロンに出品した花瓶がパリ装飾美術館に保存してあります。
このペンダントは、19世紀末から1900年初頭の作で、プラチナフレームにダイヤモンドと、色を揃えた粒より天然真珠を飾り、中央にはギヨシェ・エマイユのオーバル型をセッティングしています。
表面はプラチナで、後面は18金で仕上げてあり、チェーンの長さは42cmです。
リボンやオーバル型のプラチナフレームにはミルグレーン(彫金による極小の粒状飾り)があり、
透かし文様は、プラチナ板を宝飾師がハンドカットして文様を作り、外枠フレームには、白のエマイユを施しています。
中央のオーバル型のエマイユのモティーフは、愛と美の女神ウェヌスとその子供である愛の神アモルで、このエマイユの素晴らしいのは、3つの異なる方法を使っていることあります。
その方法とは、
まず土台へ放射状の格子文様のギヨシェを施した後、上から青の半透明のエマイユをかけ、ギヨシェ・エマイユを仕上げます。
さらにその上から、白と水色のエマイユで、絵を描くようにウェヌスとアモルを描き、上下の飾り模様をつけています。
ギヨシェの文様は、ウェヌスの背後から輝くように残してあり、光って輝きがあります。
エマイユは作る毎に焼成して仕上げる技法です。
このペンダントのように、ギヨシェ・エマイユへ、更に上から絵画エマイユを施すには、焼成する温度、素材に対するテクニックが必要です。
少しでも間違いますと、先に作ったギヨシェ・エマイユが破損してしまいますし、エマイユを見ましても、1mmたりとも間違っていず、今ではもう、どのようにでこのエマイユを作り上げたのかは解析不可能で、アンティークジュエリーならではのペンダントと言えます。
ギヨシェ・エマイユは光によって煌めき、白と青が美しい配色バランスで、ダイヤモンドと天然真珠が輝くアンティークジュエリーです。
チェーンは42cmの長さがありますので、素肌に、ニットやブラウスの上になどお着けになりやすいアンティークペンダントでもあります。
※ ギヨシェ・エマイユ
「ギヨシェ」とは、金属の土台に細かい文様を浅く線刻した上に、色付きの透明エマイユ(エナメル)を施す技法。
文様は直線、放射状、同心円、波型などの幾何学模様が基本で、いくつかを組み合わせる場合もある。
エナメルから下の彫金文様が透けて見え、モアレ織物のように光を反射して輝き、特にさまざまな文様があるのはアンティークジュエリーならではの技法である。
フランス 19世紀末〜1900年初頭
素材:天然真珠・ダイヤモンド・エマイユ・プラチナ・18金
サイズ:L6.0cm W3.7cm
チェーン:L42.0cm
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Pendant Late 19th century-early 1900
Jeweler: Gautrait, Léopold Albert Marin / Lucien
France early 1900
Material: Natural pearl, Diamond, Enamel, Platinum, 18k gold
Size: L6.0cm W3.7cm
Chain L42.0cm
Price : Please contact us ▽