N°1209 ルネサンス時代 ポイントカット・ダイヤモンド 指輪
希少なルネサンス時代のアンティークリングをご紹介いたします。
フランスの16世紀の指輪で、22-23金のハイカラットゴールド製で、全体に彫金を施し、白のエマイユをつけています。
台座の上下左右の対称位置に、髑髏(スカル)の彫金があり、目にはダイヤモンドをセットしています。
中央のダイヤモンドは「ポイント・カット」で、ほぼ綺麗なピラミッド型です。
フープ(指輪の輪)は棒状で、全体に縄目紋様の彫金があります。
当時、ダイヤモンドはインドから数年、いえ、数十年という時を掛けて、ダイヤモンド商人がヨーロッパへ運んできました。
もともと数は大変少なく、王や宮廷の大貴族しか身に付けられず、一生見たことがない、あるいは存在を知らないのが普通でした。
この貴人は1532年頃の、神聖ローマ皇帝「カール5世」の肖像画です。
人差し指にポイントカットダイヤモンドの指輪をつけているのがわかります。
16世紀当時、カール5世は今のドイツ、スペイン、オーストリア、オランダ、ナポリを支配する偉大なハプスブルグ家出身の皇帝でした。
19世紀までは、このようなダイヤモンドのジュエリーは、このクラスの王や皇帝しか着けられないものだったのです。
皇帝はこの指輪ひとつだけを、他の人間とは違うことを示すシンボルのように着けていることからも、この指輪がいかに希少なことかがわかります。
内側にも彫金があり、白いエマイユをつけてあります。
ルネサンスから18世紀の王侯貴族階級では、「メメントモリ」という思想が注目されていました。
メメントモリの考えは、当時の言葉の「死はだれにでも訪れ、人生は短い。それゆえ人生を楽しみ生を慈しめ」という言葉が示しています。
死を示すスカル(髑髏)は、死を悼むことではなく、逆に言いますと生へのアクティブさを示すシンボルでした。
髑髏は、いつか消えゆく命の儚さを示しています。
死病ペストや食糧難、魔術のような医学しかなかった時代、明日生きているのかどうかは誰もわからず、死はいつも隣り合わせでした。
そんな時代のこの指輪には、人生に対するポジティヴで強いメッセージが含まれているのです。
大変希少なルネサンス時代を象徴するようなポイントカット・ダイヤモンドの指輪で、ヨーロッパの美術館には同様の作品の保存もあり、ミュージアムピースと言えるでしょう。
フランス 16世紀
素材: ダイヤモンド・エマイユ・22-23金
サイズ:L1.3cm W1.1cm D1.1cm(15/サイズ直し不可)
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France, 16th century
Material : Diamonds, Enamel, 22-23K gold
Size : L1.3cm W1.1cm D1.1cm
Ring sise : 15/no resizable)
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